アクション

アクションとは

 PCやエネミーのとりうる行動(選択メニュー)定義のことをアクションと呼んでいます。いわゆる攻撃や呪文の使用ルールや効果は、アクションによって最終的に定義されます。

 アクションは、能力値や状態(ステータス)を設計する最終目的になります。制作者の作業としては、用意したいアクションをまずイメージして、必要な能力値や状態を先に定義します。

機能概要

採用不採用(習得)について

 PC側については、画面上部の「行動タイプ」が未設定になっているか、「マニュアル記憶」チェックボックスがオンになっている項目は習得しません。そうでないものは、他の習得条件さえ満たせば習得する可能性があります。

 エネミーについては、エネミー設定画面で追加したアクションのみを無条件で習得します。

画面

 アクションの設定画面です。

アクション設定画面

 前提として、1の属性選択と左にあるリストボックスで編集対象を選びながら、右のエリアで数値やらボタンやらを弄っていきます。編集結果は、基本的に即内部データに反映されると思って下さい。

1.基本設定

■ 行動タイプ

 ここが「未設定」のアクションは採用されません。「未設定」以外に設定されている場合、PCが習得する可能性があります。また、行動タイプによってはエネミーの行動として選択できます。

 ここで選択される行動タイプは、後述する「命中判定情報」で設定すべき能力値に大きく関わってきます。後述する項目に、設定すべき能力値の対応表が別途出てきますので、そちらもあわせてご覧下さい(そちらの方が一目瞭然かも)。

タイプ使用者戦時平時概要
攻撃・状態付加両用対象者の変動能力値にダメージ(減算)を与え、状態を付加します。状態の付加は、攻撃が命中したときに発生します。命中判定の設定が行われていない場合は無条件で命中するので、状態の付加が発生します。多くの場合、戦闘中の“攻撃的な”選択肢として用意します
回復・状態削除両用対象者の変動能力値を回復(加算)させ、状態を削除します。状態の削除は、変動能力値の回復判定に成功したときに発生します。多くの場合、味方を治療する目的で使用しますが、敵に対して使用して、ステータスを奪い取るような(例えば、敵の防御呪文を解除する)用途にも使えます
攻撃・状態付加2両用対象者の変動能力値にダメージ(減算)を与え、状態を付加します。状態の付加は、攻撃が命中せずとも発生します。多くの場合は戦闘中の攻撃選択肢として用意しますが、味方に状態を付加する場合(防御力アップや命中力アップなど)にも使用されます
逃走両用×戦闘中に逃走選択肢が出現します。エネミーの場合は個体単位で逃走が発生し、100%成功します。PCの場合、戦闘から逃走するためにはパーティ全員が「基本技能」の中に逃走アクションを保持し、なおかつ行動可能な全員が判定に成功する必要があります。行動不能者は判定されません。その他詳細は後述する「逃走成功率の調整について」をご参照下さい
アイテム鑑定PC×アイテムを鑑定する能力を与えます。不確定名が設定されているアイテムにのみ有効です。命中判定情報には、アイテムの鑑定難易度と比較するための能力値を指定します。ゲーム中は、キャラクタ情報画面のDoコマンドから使用します
エネミー鑑定PC×エネミーを鑑定する能力を与えます。不確定名が設定されているエネミーにのみ有効です。命中判定情報には、エネミーの鑑定難易度と比較するための能力値を指定します。エネミー鑑定は、基本技能の中に入れておきます。戦闘時には毎ターン、エネミー鑑定アクションを持つ生存中キャラクタ全員が、全グループのエネミーに対して鑑定判定を自動で行います
罠解除PC×罠を解除する能力を与えます。ゲームでは、罠を察知したときもしくは発見したとき、罠への対処画面が表示されます。このときに罠解除の方法として、罠解除アクションを習得しているキャラクタがいると解除メニューが示されます。命中判定情報には、罠の解除難易度と比較するための能力値を指定します
罠探索PC×罠を発見、識別する能力を与えます。「基本技能」に登録されている罠探索は、罠のある場所では一つだけ自動的に実行されます。「基本技能」以外に入っている罠探索は、罠対処のメニューに表示されます。命中判定情報には、罠の発見難易度と比較するための能力値を指定します。発見難易度は、「罠察知」からも参照しますのでご注意下さい
宝物探索PC×罠宝箱を発見する能力を与えます。「基本技能」に登録されている宝物探索は、罠宝箱のある場所では一つだけ自動的に実行されます。「基本技能」以外に入っている宝物探索は、Doコマンドから使用します。命中判定情報には、箱の発見難易度と比較するための能力値を指定します。発見難易度は、「宝物探索」からも参照しますのでご注意下さい
罠察知PC×罠を察知する能力を与えます。罠を察知すると、そこに罠があることは分かりますが、鑑識には至りませんので、それだけでは解除に取りかかれません。ただし、罠を発動させないように宝箱をあきらめたり、道を後戻りすることはできます(気づかなければ罠に踏み込みます)。罠察知は「基本技能」に登録されているものだけが有効で、罠のある場所で一つだけ自動的に実行されます。命中判定情報には、罠の発見難易度と比較するための能力値を指定します。発見難易度は、「罠探索」からも参照しますのでご注意下さい
扉察知PC×隠し扉の存在を察知する能力を与えます。隠し扉を察知すると、そこに隠し扉があることは分かりますが、発見することはできませんので、それだけでは扉に入れません。察知したら、「扉探索」アクションをDoコマンドから実行して、発見を確実にする必要があります。扉察知は「基本技能」に登録されているものだけが有効で、隠し扉のある場所で一つだけ自動的に実行されます。命中判定情報には、隠し扉の発見難易度と比較するための能力値を指定します。発見難易度は、「扉探索」からも参照しますのでご注意下さい
宝物探知PC×罠宝箱の存在を察知する能力を与えます。罠宝箱を察知すると、そこに罠宝箱があることは分かりますが、発見することはできません。察知したら、「宝物探索」アクションをDoコマンドから実行して、発見を確実にする必要があります。宝物探知は「基本技能」に登録されているものだけが有効で、罠宝箱のある場所で一つだけ自動的に実行されます。命中判定情報には、罠宝箱の発見難易度と比較するための能力値を指定します。発見難易度は、「宝物探索」からも参照しますのでご注意下さい
解錠PC×

鍵開けのアクションです。鍵開けは、罠宝箱に触れたとき、鍵のかかった扉に触れたときに鍵開け専用の画面が表示されます。このとき、鍵開けのアクションを持っているキャラがいると、持っている解錠アクションがすべて表示されます。命中判定情報には、鍵の解錠難易度と比較するための能力値を指定します。

罠がかかっているのに鍵開けを行おうとすると、罠が発動します。扉の場合、解錠アイテムを持っていると優先してそちらが使用されます(消耗アイテムの場合は、Y/N選択が表示されます)。宝箱の場合、そのまま開けるとアイテムが使用され、解錠メニューを実行するとアクションによりこじ開けます。

相対座標移動PC×発動に成功したあとの命中判定はありません。座標を入力して、現在位置からの相対位置にパーティを移動させます。移動した先では時間が経過します。マップ編集には、場所によってこの行動を禁止したり、移動先として禁止したりする機能があります
交渉PC×店での売買時に「値引き」「高額買い取り」の二点について交渉する能力を持たせます。必ず「基本技能」に登録します。値引きでは価格が最大50%引き、高額買い取りでは売価が最大50%増しになります。店での売買時には、最高の交渉能力を持ったキャラクタ(行動可能であることが条件)が、取引のたびに判定を行います。命中判定情報には、店に設定する「割引難易度」「高額買取難易度」と比較するための能力値を設定します
固定座標移動PC×発動に成功したあとの命中判定はありません。アクション設定画面で設定されている座標にジャンプするアクションです。移動した先では時間が経過します。マップ編集には、場所によってこの行動を禁止したり、移動先として禁止したりする機能があります
記憶先移動PC×アイテムに記憶されている場所にジャンプする能力です。あとは「固定座標移動」と同じです。通常、記憶先移動アクションを実装するゲームでは、「場所記憶」アクションも用意します。
場所記憶PC×アイテムにパーティの現在位置を記憶する能力です。記憶に用いることのできるアイテムには、アイテム設定画面で「場所記憶」チェックボックスにチェックを入れておきます。マップ編集の方で、テレポート先として禁止されている区域では記憶できません。
地図PC×現在のフロアの地図を表示します。パーティ現在地がレーダー表示(完全なマップ表示)できる状態であれば完全なマップが表示されます。レーダーが表示できない状態であればマッピング済みの領域のみ表示されます。マッピング表示もできない状態であればアクションは失敗します。また、地図表示アクションが禁止されている場所でも失敗します。これらの禁止設定は、マップ編集画面からブロック単位で行います。街では使用できません。
座標表示PC×パーティ現在位置のフロア番号とXY座標を表示します。地図表示アクションが禁止されている場所では失敗します。この禁止設定は、マップ編集画面からブロック単位で行います。街では使用できません。
アイテム使用PCアイテムを使用することができるようになります。平時においてはキャラクタ画面のUseコマンド、戦時にはアイテム使用の選択メニューがそのキャラクタの選択肢に出現するようになります。荷物・装備品どちらも使えます。
装備品使用PC装備品を使用することができるようになります。他のルールは「アイテム使用」アクションと同様です。
荷物アイテム使用PC装備していないアイテムを使用することができるようになります。他のルールは「アイテム使用」アクションと同様です。
仲間を呼ぶエネミー×戦闘中に、同じグループの仲間を一体増やす機能です。発動すると限界人数に達していない限り、100%成功します。

■ レベル

 アクションレベルは、キャラクタの持つ能力値のレベルとは無関係です。このパラメータは、アクション系統の設定から参照されます。アクション系統で、レベルに対応する習得のための難易度や、発動させるための難易度が設定されている場合があります。

 アクションの消耗能力値対象として段階能力値が指定されている場合、消耗する際は該当のレベルから回数を差し引かれます。段階能力値は最大でも9段階までしか設定できませんので、レベルも1〜9のみ許容するということになります。レベルが0の場合は消耗せず、最高段階よりも大きいレベルにした場合は、消耗能力値の値をゼロにしてください。そうでなければ、アクションは発動できません(10レベル以降の段階能力値の残量はゼロであると判断されるためです)。

■ 死者に有効

 攻撃や回復のタイプの場合に表示されます。このチェックボックスをオンにすると、死者に対して選択可能、かつ効果が出るようになります。オフの場合は死者を対象者として選択することができず、仮に対象選択時に生者を指定した場合でも、発動時に対象者が死亡していれば、効果が発揮されません。

 蘇生呪文など、死者に対して使う必要のあるアクションではチェックしておきます。

■ 使用タイミング/再挑戦設定

 タイプによって「平時戦時両方」「戦時のみ」「平時のみ」が表示される場合と、「再挑戦排除なし」「再挑戦排除あり」が表示される場合あります。

 前者は、攻撃や回復のタイプの場合に表示されます。この場合、戦闘中専用であるのか、キャラクタ情報画面からしか使えないアクションであるのか、あるいは両方使用可能であるのかを指定します。

 再挑戦の設定については、罠解除など、難易度関係のアクションのときに表示されます。再挑戦が「あり」だと、判定を繰り返すたびに乱数を使用して結果を表示します。

 再挑戦が「なし」だと、最初の判定のみ乱数で処理を行い、二回目以降は前回の結果を使い回します。つまり、一度罠鑑定やアイテム鑑定に失敗すると、次の判定でも必ず失敗するということになります。ゲーム中にこの制限がクリアされるのは、キャラクタのレベルが上昇するか(レベルが採用されていた場合のみ)、挑戦能力値に設定されている能力値の「標準値」が上昇した場合のみです。つまり該当キャラクタが成長するまでは、何度再鑑定を行っても失敗します。罠探索の場合は、誤判定したときの罠をずっとレポートし続けます。

 「なし」の仕組みはあくまで、特定対象物と特定キャラクタの組み合わせで処理されます。別の罠に対しては「初挑戦」ということになりますし、誰かがが失敗した罠判定を別のキャラが判定すれば、やはり「初挑戦」になります。罠や鍵や未鑑定物はすべて、自分を「鑑定しようとした」「鍵を外そうとした」相手を全員分憶えています。

 現在、エネミー鑑定については、次の仕様があるので注意してください。エネミー鑑定は、あくまでグループの先頭エネミーに対して鑑定判定を行うため、たとえばグループの先頭にいた「コボルドA」が死に、「コボルドB」が先頭に出ると、また別の個体と判定されて再挑戦が発生してしまいます。エネミーが仲間を呼ばず、一体単位で出現する場合には「再挑戦なし」も有効であると考えられます。

■ 対象

 攻撃や回復タイプの場合に表示されます。アクションを使用する対象を設定します。

自分アクションの使用者自身にのみ使用します
味方一人味方一人を選択します。エネミーが使用する場合、味方全員を候補として、一体を選択します。
味方一グループPCパーティの場合は、味方全員が対象になります。エネミーが使用する場合はグループ単位になります
味方全員PC/エネミー共に味方全員が対象になります
相手一人平時の場合、「味方一人」と同じになります。戦時の場合については後述します
相手一グループ平時の場合、「味方一グループ」と同じになります。戦時の場合は、PC側が用いる場合、エネミーをグループ単位で対象とします。エネミー側が用いる場合、対PC全員が対象になります
相手全員平時の場合、「味方全員」と同じになります。戦時の場合、PC/エネミー共に、相手全員を対象とします
全員平時の場合、「味方全員」と同じになります。戦時の場合、戦闘に参加している全員が対象となります。エネミー側が使用する場合、「全員」対象のアクションについては思考ロジックが働かなくなりますので注意してください
相手一人自由選択平時の場合、「味方一人」と同じになります。戦時の場合については後述します
◆ 「相手一人」と「相手一人自由選択」について

 どちらの場合も、戦時においてPC側が用いる場合は、プレイヤーはまず対象とするエネミーグループを一つ選択します。そして、発動時にはそのグループの中から一体が自動的に選ばれます。これは、発動キャラクタの「正面にいる直近の」エネミーが優先して選ばれます。正面にいない場合、グループ最後のエネミーが選択されます。

 エネミーが「相手一人」を選ぶ場合、PCパーティを一つのグループと見なして、PCと同じ処理によって相手が選ばれます。思考ロジックの対象候補としては、PC一人しか選ばれません。エネミーが「相手一人」のアクションで攻撃する限り、射程がどれほど広くても直近の相手のみが攻撃対象となります。もちろん、射程が遠方のみに絞られている場合は、当然バックアタックが発生します。

 これに対してエネミーが「相手一人自由選択」で選ぶ場合、PCパーティの中でも射程距離内にいるメンバー全員を候補として、自由に一人を選びます。人数によっては、アクションとして選択される率が極端に上昇します。

◆ “正面の相手”について

 相手一人を対象にアクションを発動させるときには、各個の“正面の相手”が選ばれます。これは、PCパーティの前衛人数の設定によって決まってきます(基本設定1の設定画面)。

 前衛の人数を3名とすると、“正面の相手”は、以下の通りになります。

E1E2
M7M8M9
M4M5M6
M1M2M3
前P1前P4前P3
後P4後P5後P6

 Mはすべて同一グループ、Eはもう一つのグループです。Pはパーティです。

 例えば、P6の魔法使いが単体攻撃呪文のマジックアローをMグループに対して使用した場合、その相手は必ずM3になります。しかし、Eグループが相手の場合、E3相当がいないので、E2が選ばれます。

 エネミーがPCパーティの中から「相手一人」を選択する場合も同様です。

■ 必要装備(G)

 アクションを使用するために必要な装備品を指定します。グループと単体アイテムを指定できるようになっていますが、両方指定されていた場合、両方の条件を満たす必要があります。必要なアイテムは、アクション選択時に装備していなければなりません。

■ 必要能力CとD

 アクション系統の設定で「必要能力C」「必要能力D」が指定されている場合、この位置に数値ボックスが現れます。両者は微妙に異なるのでご注意下さい。

■ 速度能力

 該当のアクションが選択されたときの、戦闘時の速度として用いられる能力値を指定します。戦闘では、敵味方全キャラクタの速度能力の値を一列に並べて、値が高い順に行動を行います。順序は、全員がアクションの入力を終えた段階で処理されます。同じターン中で誰かの速度能力値が変化しても、一度定まった順序が替わることはありません。

■ 最短距離と最長距離

 攻撃のためのアクションの射程を設定します。味方が対象の場合、この項目は無効です。

 敵間距離は相対距離です。敵の前衛と、味方の前衛の間にある距離は「1」です。敵側に「中衛」が採用されている場合、味方の前衛と敵中衛との間の距離は「2」になります。対象が後衛になると「3」です。

 中衛を採用していない場合、前衛のすぐ後ろに後衛が来るので、味方の前衛と敵の後衛の距離は「2」になります。

 敵味方共に中衛を採用していると、距離は最大で「5」になります。(味方の後衛から敵の後衛に攻撃を仕掛ける場合)

 これをふまえて、最短の射程と最長の射程を設定します。最短の射程は、離れていなければならない距離になります。

■ マニュアル記憶

 アクションをPCに自動で習得させないようにします。これは現在、PCに習得させたくないアクションを定義するときにオンにしておきます。

■ 消費Aと消費B

 消費する段階能力値もしくは変動能力値です。いわゆるマジックポイント、MPの消費量ということになります。どの能力値を消費するかは、アクション系統の画面で設定します。消費対象そのものが設定されていない場合、この場所に消費ABは表示されません。

2.消耗アイテム

 アクション発動の時にどのアイテムをいくつ消耗するか、その値を指定します。どのアイテムを消費するかは、アクション系統の画面で設定します。消費対象そのものが設定されていない場合、この場所に消耗アイテム欄が表示されません。

3.状態設定

■ 必要自己状態

 ゲーム中、アクションを選択・発動するときに必要な、発動者本人に求められる状態です。ここで設定されている状態がすべて本人に付加されていなければなりません。

 戦時に注意すべきは、選択するときにも、発動するときにも必要になることです。アクション選択時に必要な状態があっても、実行する番になったときにステータスが剥がされていたら発動に失敗します。

■ 阻害自己状態

 ゲーム中、アクションを選択・発動するときに、本人に付加されていてはならない状態です。

 戦時に注意すべきは、選択するときにも、発動するときにも状態が付加されていてはならないことです。アクション選択時に状態がなくとも、実行する番になったときにステータスが付加されていたら発動に失敗します。

■ 必要相手状態

 ゲーム中、アクションを発動したときに、対象に付加されていなければならない状態です。アクション選択時には無関係です。

■ 阻害相手状態

 ゲーム中、アクションを発動したときに、対象に付加されていてはならない状態です。アクション選択時には不要です。

■ 自己付加状態

 これは、アクションを発動したときに本人に付加される状態です。発動さえすれば付加されます。

 状態が付加されても、そのことが分かるメッセージは表示されません。

4.判定情報設定

■ 開始文字列

 アクションを発動させる直前に表示するメッセージです。発動判定の前に表示されるため、発動者が生きてさえいれば必ずメッセージは表示されます。

■ 命中判定情報

 ボタンを押すと、細かい設定項目が表示されます。アクションのタイプによっては設定不要です。

 ここでは挑戦能力値と応戦能力値を設定し、成功判定の方法を示します。挑戦も応戦も「なし」であれば、判定が行われることなく成功します。“難易度”が対象の場合は、必ず挑戦能力値を指定します。

 命中判定の考え方については、命中判定の扱いで共通の事項が解説されています。

 また、ダメージや装備品の耐久度に対する方針の設定も行います。後述する「命中判定情報設定画面」を参照して下さい。

タイプ挑戦能力値応戦能力値
攻撃・状態付加命中力となる実行者の能力値回避力となる対象の能力値
回復・状態削除成功力となる実行者の能力値阻害力となる対象の能力値。例えば、回復を難しくするために設定します
攻撃・状態付加2命中力となる実行者の能力値回避力となる対象の能力値
逃走逃走する実行者の能力値。PC側であれば、パーティ共通の能力値になります逃走を阻害する能力値
アイテム鑑定対難易度の鑑定能力値アイテムに鑑定難易度を設定
エネミー鑑定対難易度の鑑定能力値エネミーに鑑定難易度を設定
罠解除対難易度の解除能力値罠に解除難易度を設定
罠探索対難易度の探索能力値罠に発見難易度を設定
宝物探索対難易度の探索能力値罠宝箱に発見難易度を設定
罠察知対難易度の察知能力値罠に発見難易度を設定
宝物探知対難易度の察知能力値宝物に発見難易度を設定
解錠対難易度の解錠能力値鍵に解錠難易度を設定
相対座標移動設定不要設定不要
交渉対難易度の交渉能力値店に交渉難易度を設定
固定座標移動設定不要設定不要
場所記憶設定不要設定不要
地図設定不要設定不要
座標表示設定不要設定不要
アイテム使用設定不要設定不要
装備品使用設定不要設定不要
荷物アイテム使用設定不要設定不要
仲間を呼ぶ設定不要設定不要

逃走成功率の調整について

 いずれ改善するかもしれませんが、逃走成功率の調整と設定は悩みの種になりやすいので注意点をふまえつつご説明します。

 PC側の逃走は、全員が基本技能に「逃走」タイプのアクションを持っている必要があります。「逃走」タイプのアクションは必ずしも一種を全員に持たせなければならないということではなく、逃走Aや逃走Bを用意して、盗賊だけ特殊な確率で逃走判定を行わせたり、得られる経験値を変更するといったことも許容されています。

 判定に用いられる「逃走」アクションは、プログラムが「基本技能」をサーチして最初に発見された一個が採用されます。

 逃走設定で難しいのが、逃走成功率の調整です。判定情報の設定は他のアクションと同様、自分の能力値ひとつと相手の能力値ひとつを比較することで率を算出しますが、その時点で行動可能な全員が判定を行って全員が成功しなければ逃走成功とみなされません。

 全員が成功しなければならないので、単純に一人の成功率だけを見てバランス調整することができません。

◆ 実際の成功率

 一人あたりの成功率が100%未満の場合、人数が多ければ多いほど成功率は下がります。たとえば、6人パーティ全員の逃走成功率が95%のとき、全員が成功する確率は約73.5%と意外なほど低くなります。これが一人50%に落ちると最終成功率はわずか1.56%に激減します。ですので、わずかな成功率の変化を意識しなければなりません。

 実際の成功率を明確にするために、私は「(1)一人の成功率」と「(2)実際の成功率」の対応表を作成しています。

 サンプルゲームでは「逃走」アクションの最高成功率が99.15%に設定されています。6人全員がこの成功率の時、実際の逃走成功率は約95%となります。逆に95%にしたかったがために99.15%に設定しました。

 少しサイズが大きいですが、そのときに用いた逃走成功率早見表を参考にしてください(WindowsのIEとFirefoxからのみ表示を確認しています)。このページは、逃走成功率早見表Excel版から作成しています。

 何%に設定すれば何%の成功率を維持できるかがこれで分かるので、あとは敵味方の能力値の設定に反映させます。

◆ PC側の逃走性能

 サンプルゲームの設定では、「逃走力計算用」という能力値が逃走成功率に影響しています。キャラクタ情報画面には「逃走力」というパラメータが表示されていますが、この値は基本能力値に応じて0〜100の間で変化するのみで直接的には使われていません。直接判定に使われている能力値は「逃走力計算用」の方で、この値は「逃走力」の変化に応じて95〜115の間で変化します。つまり基本能力値がオール18のとき、「逃走力計算用」は115となります。オール9なら105、オール0なら95です。

 これは、モンスターの「エネミー逃走妨害」がゼロの時の一人あたりの成功率%をそのまま表しています。

◆ モンスター側の逃走妨害性能

 「エネミー逃走妨害」という能力値が用意されています。この能力値は「エネミー速度」の0〜100の値に応じて0〜20の範囲で変化します。モンスターの編集の際に「エネミー速度」を与えれば自動的に「エネミー逃走妨害」も(5分の1して)決定されます。

 戦闘時には、モンスターの中で最高の能力値を持つモンスターの能力値が、PC側全員の判定材料となります。

◆ 成功率

 サンプルゲームでは最終的に、PC一人あたりの逃走成功率が以下の通りとなります。

一人の逃走率(%)=PCの「逃走力計算用」−モンスターの「エネミー逃走妨害」

◆ トレースログ

 逃走判定の過程はログにも吐き出されます。

----------【逃走判定開始】----------

---------- キャラ/キャラ間の挑戦判定 ----------
[ガーランドスタッカート][逃走力計算用][102.78] vs [凶暴バットA][エネミー逃走妨害][6.00]
>>>>>>>> × Range:[99.150000] Rate:[0.9678] Random:[0.9841] Result:[-0.0164]
逃走×:[ガーランド][逃走力計算用:102.78][エネミー逃走妨害:6.00][-0.0164]

---------- キャラ/キャラ間の挑戦判定 ----------
[ダントン][逃走力計算用][101.95] vs [凶暴バットA][エネミー逃走妨害][6.00]
>>>>>>>> ○ Range:[99.150000] Rate:[0.9594] Random:[0.1688] Result:[0.7906]
逃走○:[ダントン][逃走力計算用:101.95][エネミー逃走妨害:6.00][+0.7906]

---------- キャラ/キャラ間の挑戦判定 ----------
[スタイナーエーデルガルト][逃走力計算用][102.78] vs [凶暴バットA][エネミー逃走妨害][6.00]
>>>>>>>> ○ Range:[99.150000] Rate:[0.9678] Random:[0.5873] Result:[0.3805]
逃走○:[スタイナー][逃走力計算用:102.78][エネミー逃走妨害:6.00][+0.3805]

---------- キャラ/キャラ間の挑戦判定 ----------
[ニコラシカラムラム][逃走力計算用][103.62] vs [凶暴バットA][エネミー逃走妨害][6.00]
>>>>>>>> ○ Range:[99.150000] Rate:[0.9761] Random:[0.8011] Result:[0.1750]
逃走○:[ニコラシカ][逃走力計算用:103.62][エネミー逃走妨害:6.00][+0.1750]

---------- キャラ/キャラ間の挑戦判定 ----------
[ルメイン][逃走力計算用][108.06] vs [凶暴バットA][エネミー逃走妨害][6.00]
>>>>>>>> ○ Range:[99.150000] Rate:[0.9915] Random:[0.6098] Result:[0.3817]
逃走○:[ルメイン][逃走力計算用:108.06][エネミー逃走妨害:6.00][+0.3817]

---------- キャラ/キャラ間の挑戦判定 ----------
[シルビアクインシー][逃走力計算用][103.89] vs [凶暴バットA][エネミー逃走妨害][6.00]
>>>>>>>> ○ Range:[99.150000] Rate:[0.9789] Random:[0.2911] Result:[0.6878]
逃走○:[シルビア][逃走力計算用:103.89][エネミー逃走妨害:6.00][+0.6878]

 一番上の「ガーランドスタッカート」が逃走に失敗(逃走×)しているため、この逃走判定は最終的に「逃走失敗」となっています。

>>>>>>>> × Range:[99.150000] Rate:[0.9678] Random:[0.9841] Result:[-0.0164]

 スタッカートは「逃走力計算用」が 102.78、相手の「エネミー逃走妨害」は 6 ですので、引き算して百分率にして 0.9678 もの成功率がありますが、それでも乱数値が 0.9841 であったために 0.0164 上回ってしまい、失敗と判定されています。6人いると全員が97%前後の成功率があっても誰かしら失敗することがあることが分かります。

◆ 将来の話

 逃走成功率の調整はアクションの中でも特に難しいので、より簡便な判定方法によって判定を行う「逃走」タイプも用意したいところです。

命中判定情報設定画面

命中判定情報設定画面


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熊恭太郎